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メールマガジン 中小企業経営者のための、インターネット活用Q&A
2001/06/11(第2・第4月曜日発行) 642 部
第5回 共有し易い情報、共有し難い情報、真っ先に共有したい情報
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□ ご挨拶
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みなさま、こんにちは。
ご購読いただきまして誠にありがとうございます。
初めてのみなさま、数あるメールマガジンの中から選んでくださり、ありがと
うございます。
このメールマガジンは、インターネットをビジネスに活用する際に直面するさ
まざまな問題とその解決策について、質問に答える形で提案していきます。
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□ 日経BP社サイトのご案内
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ご案内が少し遅れてしまいましたが...
5月29日、日経BP社の「SmallBiz」(企業の情報化推進とeビジネス展開
を総合的に支援する)サイトがオープンし、そこに、このメールマジン筆者の
山田がコラムを連載しております。
http://smallbiz.nikkeibp.co.jp/
お時間があるときにご覧いただければ幸いです。
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□ テーマ変更のお知らせ
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前回のメールマガジンで、「次回は、
『超格安で情報共有化のメリットが実感できるインターネット活用方法』
をご紹介します。」
とお伝えしましたが、少しテーマを変更させていただきました。
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□ グループウェアシステムを導入してみたものの...
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社内の情報共有、いわゆる「ナレッジマネジメント」を実現するために
グループウェアシステムを導入したある会社の経営者のつぶやき。
・各々のスケジュールを全員で見ることができるのだが、自分の予定や外出
先をいちいち入力するのを面倒がる社員が多い。
中途半端な情報なので、結局本人に確認する必要がある。
これじゃあ、入力の手間が無い分、今までのほうが良かった...。
・各々のノウハウを電子掲示板に入力するよう言っても、誰もなかなか入力
したがらない。
入力に慣れるために「支社近くのおいしいお店を教えて」というテーマを
設けたら、そこだけが異様に盛り上がる。
目的が違うんだが...。
・ノウハウを入力した社員にインセンティブを支払うことにしたら、情報を
入力する人としない人の両極端に分かれた。
積極的に入力するのは、比較的暇な社員。しかもその内容は書籍や雑誌で
得られるレベル。そんなの、わざわざ入力しなくてもいいのに...。
・逆に、本当に実務的なノウハウを入力して欲しい社員は、忙しくてそんな
時間無いって言うばかり。
それじゃあ、いったい何のためにグループウェアシステムを導入したんだ?
果たしてグループウェアは、金食い虫の役に立たないシステムなのでしょうか?
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■ グループウェアシステム、便利な故の誤解
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前回のメールマガジンでお話した「ナレッジマネジメント」のブームに乗って
グループウェアシステムを導入した企業のほとんんどは、残念ながらこんな状
況のようです。
グループウェアシステムは、うまく使いこなせば非常に便利なツールです。
最近では値段も安くなり、機能も豊富です。
しかしそのために、
・どの機能も同じ優先順位なので、どの機能から使い始めれば良いのか分か
り難い。
・豊富な機能すべてを使いこなさなければ損した気分になってしまう。
・その結果、使い方を覚えるのがたいへんで、本来の情報共有のメリットを
実感するまでに時間がかかり過ぎてしまう。
という弱点もあるのです。
書籍や雑誌、そしてパンフレットに書かれているグループウェアシステムの便
利さ、「あれもできます、これもできます」は過大広告でも嘘でもありません。
しかし、そこに書かれているのはあくまでも最大限使いこなしての話。最初か
らそれを目指すのは、あまりにも無理があります。
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■ 共有し難い情報
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そしてもう1つ。
これまでグループウェアシステムを実際に使ってみて感じたのは、情報には
共有し易いものと共有し難いものがあるということです。
例えば社内のノウハウ。
情報共有と言えば真っ先に思い浮かび、どの会社も積極的に共有化を試みます
が、ほとんど挫折しているようです。
ここで、考えてみてください。
本当に重要なノウハウを、文章や図にして誰が見ても分かるようにするという
ことは、つまりマニュアルをつくるということと同義なのです。
フランチャイザーが、マニュアル製作にどれほどのコストをかけているのか?
フランチャイジーが、そのマニュアルをどれほど高額で購入しているか?
それに対し、情報共有化の名の元に全社員が片手間にノウハウを入力していた
ら、マニュアルはいつまでたっても完成しませんし、できたとしても中途半端
で使い物にならない代物になるだけです。
または、書籍や雑誌を読めば十分間に合う情報の集まりになるだけです。
それでもノウハウを共有したいのなら、「マニュアル作成委員会」などを組織
化し、その人達がノウハウを持っている人を「取材」して、まとめていくしか
手はありません。
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■ 共有し易い情報
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反対に、共有し易い情報もあります。
情報の責任部署が明確で、その部署から一方的に発する情報です。
例えば「社内規定」や「連絡事項」は、これまで冊子や廊下の掲示板に貼り出
していた情報を電子化するだけですので、それほど難しいことではありません。
しかも、それらを自席で(または外出先から)見られるようになるので、情報
共有化のメリットもすぐに実感できます。
なお、上でお話した「ノウハウ」の共有も、「マニュアル作成委員会」から
一方的に発するようにするのであれば、一転、共有し易い情報になりえます。
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■ 真っ先に共有したい情報
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共有し易い情報から共有化していくことは、お勧めです。ぜひやってみてくだ
さい。
情報共有化の成否は、できるだけ早く全社員にそのメリットを実感してもらえ
るかどうかにかかっているのですから。
でも、会社として真っ先に共有したい情報は何かと言えば、やはりお客様の情
報、それも単なる住所や電話番号だけでなく、
・どういった取引をしているのか?
・担当者が誰で、どういったアプローチをしているのか?
・これまでどのような質問があって何と回答しているのか?
・トラブルは無かったか?あったとしたら何か?それをどう解決したのか?
といった細かい情報でしょう。
これらが何らかの形で共有化されていれば、仮に担当者が不在でも、代わりの
人がフォローできるのですからメリットは計り知れません。
実際、携帯電話や事務機器販売で有名なH社は、莫大な費用をかけてこのシス
テムを独自構築し、その何十倍もの利益を生み出しています。
もちろん、独自システムに較べれば多少不便ですが、グループウェアシステム
でも十分代用できます。既に導入済みであれば、真っ先にお客様情報の共有化
から着手しましょう。
そして、グループウェアシステムを導入しなくても、超格安でこれらの情報を
共有できる仕組みもあるのです!
それは何か?
ということで、次回をお楽しみに。
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□ セミナー情報
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先週、あるセミナーの講師をさせていただきました。
対象は、IT活用に積極的な税理士の先生約20名様。
内容は、
・インターネットビジネスの現場にいる者から見たインターネットビジネス
の現状紹介
・インターネットの効果的な活用方法
・ホームページを使った効果的な情報発信方法
などです。
約70分の持ち時間のうち、インターネットビジネスの現状紹介が約30分、
残りの2つで約30分、質疑応答が約10分という配分でした。
ここで、最初の現状紹介は、ご存知のとおり今は逆風ですので、正確にお伝え
しようとしたら、どうしてもマイナスのイメージが大きくなってしまいました。
それが時間の約半分を占めてしまったのですから、主催者の方はヒヤヒヤもの
だったそうです。
反省。
セミナーでは、マイナスの話は1〜2割に抑え、あとはプラスの話をするのが
大切だということを勉強しました。
逆に後半は、現状に則した具体的な内容ということもあり、好評とのことでし
た。
お世辞かもしれませんが、少しほっとしました。
活用方法でご紹介したのは、低コストで即効性のあるものですので、もしかし
たら既に実行されているかもしれません。
もしこのメールマガジンをご購読くださっていたら、その後についてご連絡い
ただけると幸いです。
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□ 質問、相談お待ちしております
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本メルマガは、読者のみなさまから寄せられる質問や相談も、一般的・汎用的
にアレンジして紹介し、できる限り双方向性の高いメールマガジンを目指しま
す。
厚みがあって実務に役立つメルマガに成長していきますので、ぜひともご協力
をお願いいたします。
連絡は、http://www.surv.co.jp/research/formmail.html から、
または下記を明記のうえ、webmaster-kj@surv.co.jp へお願いします。
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