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　　メールマガジン　ホントに実践！インターネットマーケティング

　　　　　　　　　　　　　　　2000/09/14（毎週木曜日発行）　1,219 部

　　第１７回　どこまでオートマチック？　〜運営の裏側〜
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□　ご挨拶
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みなさま、こんにちは。
ご購読いただきまして、誠にありがとうございます。

さて今回は、「買物じょうず」運営紹介の第一弾として、普段担当者がどのよ
うなことを行っているかについて、細かくお話します。
一見無味乾燥なデータの裏で繰り広げられる人間的なやりとりが、分かってい
ただけると思います。

また、自動化と手作業についてもお話します。
みなさまのインターネットビジネス／マーケティングにおいて、システム開発
したほうが良いのか、しないで人手で対応したほうが良いのか判断する際の参
考にしていただければ幸いです。


■
■　「買物じょうず」の運営
■

「買物じょうず」の運営としては、大きく分けて３つあります。

●データ管理

情報系サイトにおいて、データ量の充実とデータの質の維持は、最重要の課題
です。

幸い「買物じょうず」はメンバー様が日々質の高いデータを登録してくださっ
ており（感謝！）、しかも今のところ悪質な不正データの登録はありませんの
で、ほとんどがチェックと修正、それも
　　・他の利用者が見ても分かるように詳しく書き換える
　　・見落としや勘違いによる重複登録データを削除する
といった作業です。
今回のメインテーマです。

●システム管理

Ｗｅｂサイトを開いているということは、年中無休、２４時間３６５日営業と
ほぼ同義です。
コンビニエンスストアの運営と同じように、これを実現するのは並大抵のこと
ではありません。特にシステム面では高度な技術力が要求されます。
これは次回詳しく。

●その他全体の管理

プロモーション、メンバー管理、プレゼントの抽選・発送、ルールの改訂等、
上記以外の全てを取り仕切ります。


■
■　データのチェックと修正の内容
■

非常に細かい説明になってしましますが．．．。

「買物じょうず」のデータは、
　　・メーカー　 ---- １日平均数件ずつ増
　　・商品　　　 ---- 　　同　数十件ずつ増
　　・ショップ　 ---- 　　同　数百件ずつ増
の３つに分かれています。
このうち個人メンバー様はショップのみ、アドバンス個人メンバー様と法人メ
ンバー様は全てを登録することができます。

どのデータにも言えることですが、人間が登録する以上
　　・ケアレスミス
　　・内容のミス
　　・情報不足
　　・重複登録
は避けて通れません。
１日数件、多いときは数十件のデータを修正や削除しています。

メンバーの皆様には、ときどき「データ変更のお知らせ」や「ご登録データに
ついて教えてください」といったタイトルのメールを送らせていただいており
ますが、そういったメールが多い日は十数件を軽く超えます。
（受け取るのは自分１人だけではありませんので、ご安心を。）

「買物じょうず」のトップページで、
　　・「ポイントラリーランキング」更新発表のある日は比較的修正や削除が
　　　少ない日
　　・「商品数」「総ショップ数」のみ変更されている日は比較的修正や削除
　　　が多い日
　　・それすら変更されていない日はパニックの日
と見てほぼ間違いはありません。

担当者は非常に細かくチェックしておりますが、それでもチェック漏れがあり、
「このデータおかしいのでは？」という問合せもよくいただきます。
多くの「目」でチェックすることになりますので、データの質はどんどんアッ
プしているはずです。


■
■　データのチェック手順
■

さてその手順ですが、だいたい次のように行っております。

(1) 数時間おきにデータをダウンロード

    技術的にはデータベースサーバーのデータを直接チェックすることも可能
    です。そういったシステムもたくさんあります。ただ「買物じょうず」で
    は、データベースサーバーへの負荷を極力減らすため、分散させるために、
    チェックは別のマシンで行っています。

(2) ダウンロードしたデータを自動チェック

    これだけデータが多いと、その１件１件を目で確認することは現実的では
    ありません。
    人間のミスにはある程度の規則性がありますので、その部分はプログラム
    等で自動的にチェックしています。この処理がマシンに負荷をかけるので、
    (1)のようにデータベースサーバーと切り離すのです。

(3) 自動チェックしきれない部分を目でチェック

    もちろん、(2)でチェックしきれない部分もたくさんあります。また下で
    詳しくお話しますが、自動チェックが可能でもあえてしない場合もありま
    す。最後は人の目でチェックします。

(4) 修正または削除

    自動チェック、目チェックいずれの場合も、修正や削除は１件１件手作業
    で行います。
    さらにその前に、メンバー様へメールで問い合わせて確認することもあり
    ます。


■
■　理想は全自動チェック＆修正削除？
■

まずは一般的な話から。

ボタン１つで何から何までやってくれるシステムは、この上なく便利です。
Ｗｅｂシステムに限らず、コンピュータのシステム開発で最初に思うのは、

　　コンピュータなんだから、全部自動化しましょう

ですね。

実際、技術者に「これできる？」と質問し、技術者も「可能です」とだけ答え、
「じゃあそれも開発しよう」という何気ない会話があちらこちらで聞かれます。

でも、ここが落とし穴でもあるのです。
技術者の「可能です」というのは、ほとんどの場合「技術的には可能です」で
あり、その開発が現実的なものか、そして費用対効果が高いのかということに
はあえて触れられていないのです。
（その理由は、気が利かないというより、意外にも営業的な部分が大きかった
りします。もちろん相手もによりますが。）
数ヵ月後、
「こんなに時間と費用がかかると分かっていたらシステム化しなかったのに」
と嘆いても、後の祭りです。

例えば、手でやった場合１日３０分かかる作業を、自動化すれば３０秒ででき
るとしましょう。それだけ聞くと、ぜひそのシステムを開発しようということ
になります。
ところがそのために数千万円の開発費がかかるとしたらどうでしょう？開発を
進めますか？他に応用できるとか、ノウハウ取得がてらといった事情でもない
限り、開発は見合わせるでしょう。


話を「買物じょうず」に戻します。
また非常に細かい説明になってしましますが．．．。

例えばショップの重複チェックの場合、同じ店舗名なら自動チェックも簡単で
す。
ところが、現実には「スーパーＳＵＲＶ」と「サーブ電機」が同じチェーン店
で、同じ商品を同一価格同一セール期間で販売することがよくあるのです。
「買物じょうず」的にはこれを同一ショップとみなしていますので、後から登
録されたほうを削除しなければなりません。

これをもしシステム化するなら、

チェーン店テーブルを設け、そこに該当する店舗名を登録しておき、どれか１
つでも一致したらワーニングを出し．．．

といった仕様になるでしょう。
でもそのシステムを開発する時間と費用を考えたら、その部分は手作業のほう
が、【今のところは】現実的です。


システム化するか手作業にするかの判断は環境や状況にもよりますので、非常
に難しいのですが、少なくても判断材料（情報）はできるだけ多く集めて、
明らかな判断ミスだけは犯さないよう心掛けましょう。


□
□　次回の予告
□

次回は「２４時間３６５日営業」と題して、主にシステム管理の裏側をご紹介
する予定です。
一見「買物じょうず」と関係無さそうな i-mode が、実は大活躍しているんで
すよ。

どうぞお楽しみに。


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